徒然なるままに、日暮らし、パソに向かひて、心にうつりゆく由なきネタを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ(何)

Yahoo!ニュースより。

No: 1351
投稿者:管理人 2007/07/26 Thu 01:16:16

関東最古の神社に「らき☆すた」ヲタク殺到 地元「治安の問題が…」

 「古事記」時代以前に創設された関東最古の大社「鷲宮神社」(埼玉県鷲宮町)に今夏、アニメファンが殺到する異様な現象が起こっている。この神社が人気アニメ「らき☆すた」の美少女キャラが暮らす家と設定されたため、「聖地巡礼」のファンが押し寄せているのだ。アニメ雑誌の記事も拍車をかけ、閑静で神聖な神社町はコスプレ姿やカメラを手にTシャツ、リュック姿という「アニメオタク」(略称「アニヲタ」)が集まる町に一転。異色のアニヲタ絵馬も登場するなど、地元住民が気味悪がる事態となっている。
(上記記事より引用)

・・・はぁ。(溜息)
らき☆すたは超を付けていいほどの人気作品だし、モデルになった場所が存在していることも早くから知ってたから舞台探訪に行ってる人も相当居るであろうことは容易に想像が付いたけど、こんなことになっていたとは・・・・

いい機会だし、いろいろな場所への舞台探訪に何度も行ってる者として、アニヲタと地元の方々両方に対して言わせてもらうけど、
ヲタクは行くんだったらもっと常識考えろ!
地元の方々も、見慣れない人が突然多くやってくるようになるのは確かに不安かもしれないけど、来るのが「オタクだから」過剰に気持ち悪がってませんか?

まずアニヲタに対して。
これは今更言うことでもない、ごくごく当たり前のことだと思ってたけど・・・
今回のらき☆すたの場合だと特にそうだけど、探訪先はイベント会場でも、秋葉原でも、アニメショップでもないんです。ただの閑静な住宅街なんです。
そこにはアニメとは何の縁もゆかりもない人たちの生活・日常があって、舞台探訪に来てる我々は「よそ者」なんです。「アウェイ」なんです。
だからそれ相応の立ち居振る舞いをするというのは、舞台探訪をする上で最低限守るべきマナーな訳です。
「それ相応の立ち居振る舞い」と言っても、そんなに難しいことはなくて、ぱっと見でオタクと分かるような行動さえしなければいいと僕は思いますけど。
世の中にはそこら辺の街並みを写真に収めることを仕事としている人だって居るわけで、そういう人は別にキモいと思われない訳だからそれも一つの参考になるんじゃないかな。(まぁそういう人とこの問題とでは、「数の問題」ってのが極めて大きな違いなので引き合いに出すのは適切ではないかもしれませんが。)

しかし、こうして新聞記事に(それも発信元がアニメ・漫画関係のニュースサイトじゃなくて産経新聞!)なってるってことは、どうやらその最低限のルールを守らない、もしくは知らない、考えない人が多いようで。
ようつべにうpってVIPでネタにすればスレが盛り上がるような行動をすれば、やってるご本人は楽しいかもしれませんが、端から見てるとただのイタイ人です。
しかも困ったことに、そういうことやる人が1人でもいると、どんどん似たような後追いが出てきて、結果周辺住民の方々から白い目で見られることになるんです。
そんな極端な例でなくても、過去にあったトラブル例を見るに、友達と連れだってワイワイ騒ぎながら回る、ということだけでも、今回みたいな普通の住宅地が舞台の場合は問題を引き起こす原因となるんです。
そういうのは全て「らき☆すた舞台探訪に来る人」、ひいては「らき☆すたのファン」、果ては「ヲタク全体」のイメージを悪くします。

そういう人たちはおそらく「舞台探訪そのもの」がメインの目的なのではなくて「らき☆すたの舞台へ行くこと」が主目的の人に多いんでしょうけど、その行為自体が舞台探訪(聖地巡礼)であると言うことには変わりがないわけだから、行くんだったらちゃんとそのルールを知ってから行くべきで。
舞台探訪自体はもう相当昔からやってる人居たんだし、最近はそれをテーマにした本が出たり、らき☆すたについてもニュータイプの付録でガイドされるほどポピュラーな物になったんだから、「舞台探訪」でググればそういうマナーについて論じてるところなんて腐るほど出てくきます。ってかニュータイプふろくにもちゃんとそのへんについての注意が書いてあったわけだし。だからそういうところに一度は目を通して、現地でも常にそこに書かれていたことを意識しながら(これ重要)楽しんでもらいたいと思うわけです。

僕はあまり好きな形容ではないけど、アニメの舞台を「聖地」と形容するんだったら、それにふさわしく、是非ともその場所を汚さないような配慮をした上で「巡礼」することを心がけてもらいたいもんです。


次に地元住民の方々に対して。
こういうトラブル事例を聞く度、いつも思うんですけど、やってくる人たちが「世間一般に気持ち悪い人とされているアニメオタクの人たち」だから、過剰に気味悪がったりしてる面があるのではないですか?
さっき書いたとおり、舞台探訪ってのは地元住民の方々の生活圏に「お邪魔している」わけだから大きいこと言えないしヲタクの側から何かを求めるのも筋違いだけど、やっぱりどうしてもそう思えて仕方ない。

まぁ実際こういう記事が出てくるってことは、我々ヲタクから見ても気持ち悪いと思うような行動するような輩が居るというのは事実のようなので、そこについてはもう同じアニメのファンとして代わりに謝りたいぐらいの気分ではありますが。
しかし。
場違いな内容の絵馬が書かれるとかそういうことに直接関係のない、「治安の面」とかを理由にした否定意見をよく見ますが、「知らない人が集まってくる」原因が、もしも「アニメの舞台探訪」でなかったとしたら、もうちょっと見方も変わってきたりするんじゃないでしょうか。

舞台探訪ってのは何もアニメに限ったことではなく、ドラマや映画のロケ地巡りだって全く同じ物です。
この行為も相当昔から存在してて、最近はロケーションジャパンなんて雑誌も刊行されててある程度の地位を確立してるものだと認識しています。
僕はこっち方面には疎いので実際どれくらいの人がロケ地探訪をしているのかは全く知りませんが、この雑誌も22号まで刊を重ねていると言うことはある程度支持されてて、と言うことはアニメの舞台探訪同様、「それまで観光地でも何でもなかった場所にある程度の数の人が突然やってくるようになる」と言う現象が起こっている場所があるはずです。そんでもって、「自分もドラマの主人公と同じ場所で同じポーズで写真を撮りたい」って人、結構居るんじゃないでしょうか。
でも、そういうことしてる人を見たとしても、そのときは別にキモいとは思わないんじゃないでしょうか?
ドラマを見てても誰もキモいと言わないけど、アニメを見てるとキモいと言われることがあるのと同じ理屈で。

なんだか猟奇的な犯罪で逮捕された人がたまたまアニメやゲームのファンだったって報道がされて以来、マスコミによって「オタクは気持ち悪い、あるいは犯罪予備軍的な存在」という風潮ができあがってますけど、今回みたいな舞台探訪に伴う問題の根底には、やはりそうやって植え付けられた偏見が多かれ少なかれ関わってるとしか思えんのですよ。
実際この記事を書いた人にもその傾向が見られるし。
アニヲタが殺到した神社といえば、1993年度「講談社漫画賞」受賞作品を原作とする人気アニメ「セーラームーン」の舞台、東京・麻布十番の氷川神社が有名。同作品では主要人物・「セーラーマーズ」こと火野レイが巫女を務める「火川神社」との設定で、神社のほか麻布十番の商店街や公園、ゲームセンターなども「聖地」とされ、多数のファンが押し寄せる不可解な社会現象が起こった。
の一文にある「不可解な」って単語をはじめとして、要所要所に「アニオタきめぇ」の意識が見え隠れしてなりません。「オタク=キモい」の図式が定着して久しいですが、そろそろそういうの、やめにしません?

人気アニメの舞台と分かるといろんなオタクたちがひっきりなしにやってきて、中には関係ない地元の人にとっては「不可解な行動」をしてく人もいるかもしれないけど、それ以外のこと、特に法に触れることをしていくような人たちはまずいません。
「治安の問題」を理由に不安がる人は「オタク=犯罪予備軍」の認識か、「本当に犯罪目的でやってきた人がオタクに紛れて分からなくなる」ことが不安なのかどっちかだとは思いますが、少なくとも前者についてはほぼ間違いだと言っていいと思います。だからもし前者の理由でアニメファンによる舞台探訪に異を唱えているのであれば、もう少し実情について理解を深めていただけるとうれしいなと思うわけです。




長々と書きましたが、要するに言いたいことは舞台探訪は互いに互いのことを考えて楽しくってこと。
ヲタクの側としても自分の楽しみだけを考えるんじゃなくて、地域住民のこと、そして後からやってくる他のヲタクのことを考えて。
地元の方も、「不可解な」とか言うんではなく、少しでいいから理解しようと歩み寄って。
そうすればお互いぴりぴりせず、平和に暮らせると思うんですが。
そういった面で、記事内にあった「地元商工会でもブームを生かす方策が検討されているという。」って一文、これは大歓迎。ヲタクにとっても地元の人にとっても利益となり、いろんなことが丸く収まる、ある意味舞台探訪において理想の姿じゃないでしょうか。


最後にもう一度、舞台探訪が趣味のヲタの一人として、これかららき☆すたに限らず何かのアニメの舞台探訪をしようとしてる人に向けて繰り返しますけど、舞台探訪してる人は「アウェイ」に居るんです。
この文章では地元の人にも求めるところがあるような主張をしたけど、とりあえずはヲタの側がより多く考えて行動することが最優先。そうでなきゃ地元の人の理解なんざ得られません。
地元商工会の方策みたいに頭ごなしに否定するんではなく、逆に歩み寄ってみようなんて意見が出るようになったってのは、小さなことではあるけれどオタクに対して今まで根付いてきた変なイメージを払拭する一つの好機なんじゃないかと思います。
そんなときにヲタクの側がさっき書いたみたいな「イタイ行動」とったりしたらぶち壊しなんで。
なんだか教科書的な綺麗事のような文だけど「自分1人が考えたからって大局はなにも変わらねーよ」って思うんじゃなくて、一人一人が小さなことからこつこつとやっていくことが大切」っての、これは紛れもない真実だと思います。
舞台探訪でも何でも、それなりにルールってもんがあります。
そして探訪先にもその場その場のルールがあります。
「郷に入っては郷に従え」。
舞台探訪する人はこの諺を肝に銘じておくといいのではないかなと思います。




よし、わりと纏まった(何)
1月に行った時かけ探訪@中井で「不審者注意」の立て看板見たときから、今書いたようなことを改めて意識して、そんでもって舞台探訪レポを公開してる人間としてこういう文章は書いておかないとなという想いがずっとあったけど、ちょうどいい機会だったので見ようと思ってた録画アニメを全て放り出して思いの丈をずぁーっと執筆してみました。
こんなアクセス数少ないところで書いても与えられる影響なんて微々たるものだろうって想いもあるけど、それこそ「小さなことからこつこつと」ってことで。

僕は今後も舞台探訪をいろいろ続けるつもり満々だけど、今回のこの記事をきっかけに改めて舞台探訪のマナーをきっちり意識していきたいと思います。


この記事にリンク:http://tianlang.s35.xrea.com/diary/diary.cgi?mode=single&number=1351




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