徒然なるままに、日暮らし、パソに向かひて、心にうつりゆく由なきネタを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ(何)

10/12糠平湖日帰りツアー ~アーチ橋と紅葉でとかちちゅくちて(何)~

No: 1634
投稿者:管理人 2008/11/04 Tue 02:11:54

どこかへ出かける度、毎度毎度この日記に旅行レポ的なモノを書こうとは思うんですが、アニメ見たり他のことしてるウチに時間が経ってしまって、うやむやのウチにまあいっかとなって放置されてましたが、たまにはちゃんと旅行ネタを書こうかなと思い、今回こそはと打ち始めてみる次第(何)
打ち始めたのは帰ってきた次の日辺りから何ですけど、例によって気づけば時間が経って今日で・・・20日ぐらい経ったのもう?(爆)
行った日は紅葉真っ盛りだったけど、最早訪問先は愚かこの札幌の街でも今日の明け方辺りには雪が降るんじゃないかって予報も出てて最早冬に片足つっこんだような季節を迎えてしまってますが、何とか書き終えたのでものすごく今更ですが投稿します。

さて今年は北海道にいるのが最後だからということで、ほぼ連休の有るごとにどこかしらへ出かけてます。
遡れば2月に網走~紋別へ流氷見に行ったのが第一弾。
5月には自転車持って留萌本線沿線、主に留萌~増毛を中心に散策した第二弾を決行。
7月は2泊2日(何)でノエイン函館探訪総まとめで第三弾。
9月は余市~神威岬~岩内~小沢の積丹半島路線バス一周の旅で第四弾。
そして今回第五弾として、帯広の北約70km程にある十勝管内上士幌町の糠平(ぬかびら)湖を目指すことにしました。
この湖の周囲には、帯広から糠平を通り、更に先の十勝三股までを結んでいた旧国鉄士幌線の廃線跡が残っているのですが、それらの中でも川や谷を渡っていた大きなコンクリート製のアーチ橋は、その形の美しさはもとより、近代産業遺産という歴史的な価値から国指定の登録有形文化財や北海道遺産として保存活動が行われています。
鉄ヲタとしては廃線跡巡りという点に惹かれることしきり(何)
中でも、ダム湖である糠平湖が出来る前に通っていた旧線上に存在する「タウシュベツ川橋梁」というのが一番興味をそそります。僕がこの橋の存在を知ったのは数年前、札幌の地下鉄大通駅に貼られていた何かのポスターの写真にここが使われているのを見てなんですが、山をバックに湖の上を整然と並ぶコンクリートのアーチという景色があまりに印象深く、ずっと行って自分の目で見てみたいなと思っていました。

さらにこの地域は、北海道最高峰の大雪山系の東という山深くに位置するため、10月中旬という全国でもかなり早い時期から紅葉の時期を迎えます。ダム湖である糠平湖に映える赤く染まった周囲の山々の景観ってのはなかなか見物とのこと。
普通の北海道観光としても魅力たっぷりです。
そんなわけで今回は鉄ヲタしつつも普通に北海道観光を楽しむ、今までの「乗り鉄」やアニヲタとしての「舞台探訪」メインの旅とは一味違った旅行を決行することにしました。


今回の旅の計画としては、帯広駅からバスに乗って、糠平の温泉街から15kmぐらい離れたところにあるバス停で下車し、その後バスで通ってきた国道と、廃線跡を整備した遊歩道をひたすら歩いてアーチ橋を巡ろうというもの。
言うのは簡単ですが実は結構無謀感漂もの。
ただ単に15km歩くぐらいなら別に問題ないんですが、問題は途中、国道とは糠平湖を挟んで反対側にあるタウシュベツへ寄り道しようと思っていたこと。そこまでは国道から脇に逸れて林道を往復約8km。
ちず丸距離測定で測ってみたら全行程で25kmぐらい歩かねばならないという結果になりました。
その距離を、バスでの到着10:50から、帰りのバスが糠平を出る16:50までの6時間で歩かねばならないと言うことは、平均すると1kmあたり15分という普通の歩きの速度でひたっすら歩き続けないと間に合わないという計算。
ついでにこの一帯はヒグマ生息域。
情報収集してたら国道脇にクマがいた!とか書いてるブログとか、写真投稿サイトに2008年10月9日付けでタウシュベツ付近にいたヒグマなんてのが投稿されてるの見つけてしまったりとか恐ろしい情報満載(爆)
でもタウシュベツは是非とも見に行きたかった、というかむしろこれを見に行くためにわざわざ糠平なんてとこまで行こうと思ってるのでそこは外すわけにはいかない。
どうしようかなと若干悩みもしましたが・・・
まぁ深く考えても仕方ないし、行けばなんだかんだで何とかなるだろ、って事で、とりあえず決行してしまうことにしました(何)

ただ身の危険を伴うことなのでクマ対策だけは対処法の勉強と準備は怠らず。
前日はネットで「クマに出くわさないようにする方法」と「出会ったときの対処」を調べ、実際の準備としてはクマよけの鈴として、一体何十年前からこの家にあるのか知らないけど都合良くベルの付いてた日光土産(何)からベル部分だけを取り外して持って行き、ついでに目に付いたところにあった、前に高山行ったときに買った「さるぼぼ人形(鈴付き)」も鞄に付けていくことに。ほら、さるぼぼって魔除けの意味もあるし(なんか違)
「もし目の前に出てきたらタオルなど体臭のついたモノを投げつけて気をそらすのが効果的。」という記述も見つけたのでそれに従ってタオルを1枚入れてみたりとか。
他にも、万一バスに間に合わないような時間になるまで温泉街に辿り着けないとなると最早暗くなってしまう時間帯なので懐中電灯も用意してみたり、寒いことも予想されるので長年愛用の折りたたみ可能なウインドウブレーカーも準備して。
そして昼食の調達なんか出来るはずもないから、夕食の残りを詰めた弁当と水筒も持って行き。
そんなこんなでわりと本気のハイキング的な荷物でいざ出発と言うことになりました。


で、当日は6時前に起床(早)
前日はその日から始まった「黒塚」の1話を生で見て、その後しばらくしてから寝たので睡眠時間5時間半ぐらい。
おまけに秋分を過ぎた北海道の日の出は遅く、流石に日が出てはいるけど若干まだ明るくなりきってないようなそんな時間。
眠いことこの上ありませんがここで起きないと何も始まらないので無理矢理起きて、荷物は前日に用意してあるからさっさと朝食済ませて6時半前には出発。
いつも学校行くときと変わらないルートを辿って札幌駅を目指します。

札幌からはJR。
いつもなら18きっぷとかその類で各駅停車の旅ですが、今回は学割乗車券+自由席特急券で優雅な旅(何。
この時期には鉄道の日記念きっぷという、18きっぷの秋版みたいなのが出てますが3日間有効で9000円となると、特急使って往復するのと2000円ぐらいしか差がないのに、糠平へのバスの都合上絶対に宿泊が必要になってくるから今回はこれを使うメリットが全くないので、こんな風に久々の「正規料金」での旅行となりました。

というわけで、札幌7時3分発の釧路行き特急スーパーおおぞら1号に乗車。
列車は通常7両のところ2両増結された9両編成と、おそらく連休に対応した編成になってたけど、中日の朝であるせいか、自由席はかなり余裕を残しての出発となりました。
この便は札幌~釧路をほぼ最速で結ぶ便で、途中停車駅も札幌近郊の新札幌と南千歳に止まった後は1時間もどこにも止まらずトマムまで行き、そのあと20分で新得、そこから30分でもう目的の帯広。
220kmの距離をわずか2時間16分で駆け抜けてくれます。
表定速度(平均時速)98km/hか。高規格な路線とはいえ上り坂とカーブが連続する石勝線を抜けることを考えると相当すごいな。

この列車の中については・・・眠くてほとんど寝てたので特に書くことはありません(爆)
さすが、特急車両のサービス向上に力を入れてるJR北海道の車両だけありますね(何)
自由席なのに本州を走る一昔前の特急電車のグリーン車なんかよりずっと快適な座席だし、常にエンジンが稼働し続ける気動車だけどしっかり防音されてて至極快適。
それで眠かったらそりゃー寝ますよね(何)

そんなわけで感覚的にはホントにあっと言う間に帯広に到着。
帯広は・・・そんな久々でもないな。去年の夏に来たんだっけ。34度で死にかけたあの日だ(何)
ここからはバスに乗り換えですが、10分しかないのであんまりゆっくりはしていられません。
駅を出たらすぐさまターミナルへ行き、事前に電話で予約しておいた乗車券を窓口で買って、バスに乗り込みます。

ここから乗るのは「ノースライナーみくに号」。
帯広から国道241号→273号と旧士幌線のルートに沿って北上し、糠平、十勝三股を通りすぎ、三国峠を越えて層雲峡、上川経由で旭川までを結ぶ都市間バスで、1日2便が運行されています。
「都市間バス」と銘打たれてるだけあって完全予約制で、糠平までは帯広の近郊と見なされ、旭川行きは乗車のみの扱い。高速道路を通らないけどシステム的には高速バスと同じ感じですね。
しかし糠平から十勝三股までは例外的に乗降ともに取り扱い。
なぜかというと、これが正に今回の旅の目的と若干絡んでくるわけですが、「旧国鉄士幌線廃止代替バス」の廃止代替バスをこの路線が担っているため。「廃止代替バス」って2回書いてあるのは打ち間違いじゃありません。この糠平~十勝三股の区間は、一時期はそれなりに人が居たものの今やほとんど無人地帯で、ごく僅かに残った人たちもマイカー利用で公共交通機関なんか利用しなくなってしまったから「廃止代替バス」すらも赤字で廃止されてしまったというとんでもない地帯。
それでたまたま同じ区間を通過していたこのバスがその代替を一応引き継ぐことになった、という経緯らしいです。

僕は今回、そのとんでもない区間の正にど真ん中の「幌加温泉入口」で下車予定。
本当は旧士幌線の終着駅・十勝三股まで行きたい気持ちは山々だけど、流石にそんなところまで行ってしまうと間違いなくその日のうちに帰ってこれなくなるので、士幌線時代で言うところの一駅手前で妥協。
でもここから歩くだけでも線路の残る幌加駅跡や国指定文化財の第五音更川橋梁なんかの見所は一通りカバーできるのでまあ十分かなといった感じです。

さてこのバスはさっきも書いたとおり予約制なので、どこで何人乗ってどこで何人降りるかってのは発車前に分かってます。
なので発車前に係の人が運転手にその詳細を告げていたんですが、「幌加温泉で一人下車」ってのを伝えられた運転手は「めったに降りない場所で・・・(苦笑)」という反応を見せていました(爆)
ええもうそんなの慣れてるからいいですけどね(何)
バスでまで「秘境駅」下車なわけですねわかります(何)

そんなこんなで9時半に帯広駅前を出発。幌加温泉までは1時間20分、1800円。
途中音更、上士幌の町を通りながら「広大な北海道の大地」を感じられる十勝平野のを走り抜け、次第に山の方へと入っていきます。

しかしこのバスでも半分ぐらいの区間眠気にやられて終了(何死)
そして残りの半分は景色よりも気になって止まないことが一つ。
それは天気。
さっきまで乗ってた特急の車内からも危惧はしていたのよ。新得辺りで雨降ってたし。
でも出発直前に見た天気予報的には十勝地方は晴れってなってたから帯広着けば晴れてんのかなと楽観視してたし、実際帯広で降りてみたら雲はあるけどまあまあ晴れてたし、そこまではあまり気にしてなかったんだけど。
だがButしかーし。
バスに乗ってしばらくしたら、突如暗雲立ちこめて、終いにゃ降ってきた('A`)
でもまたしかし。その雨はあっと言う間に止んでまた晴れ間が見えたりとか。
さらには雲もどっか行ったりとか。
でもまたまたしかし。これから行く先の山の方にはわりとたくさんどんよりした雲が漂っていたり。
一体何なの!はっきりしてよ!(何)
25kmも歩くのに雨とか困るんですけど!
国道はともかくタウシュベツまでの林道や廃線跡の遊歩道とかぬかるみそうなんですけど!
っていうかクマの出やすい条件その3「雨の日」なんだそうですけど!
そんなこんなで空模様が気になって仕方がなく、景色どころの騒ぎじゃごぜーませんでしたとさ(何)


そうこうしてるうちに上士幌の市街地を抜けてバスはいよいよ山の方へ。
上士幌市街までは時折広大な農地が広がりはするモノの、民家や農業関係の施設が点在していて、建物が見えなくなるようなことはありませんでしたが、ここから先はホントに農地か林か、って景色になってきました。
上士幌を出る直前のガソリンスタンドには「この先層雲峡まで120kmの区間ガソリンスタンド有りません」なんて看板出てるし。さすが広大な北海道(何)
市街地では流石にまだまだ青かった木々の色も次第に紅や黄色に色づいてきて、いよいよ奥地へ突入かって感じです。
更に山は深まって、最早農地ではなく原生林しか見えなくなり、更に道が両側ほとんど崖みたいな急な斜面に挟まれるようになると、本日の目的地はすぐそこ。
バスの中からも目当てのアーチ橋はいくらか見えますし、何より温泉街を過ぎたら国道のどの辺から遊歩道にアプローチできるのかとか、タウシュベツへの入口はどこなのかとかしっかり確認しておく必要があるので、ここからはもう寝てる場合じゃありませんw
景色に集中です。

さっきまで平地を走ってきたけどこの辺になると橋やトンネルが現れてきますが、そうなるとわりとすぐに右手に見えてくるのが糠平ダム。
前も書いたとおりダム萌えにはちょっと理解を示せるので、トンネル抜けて急に景色が開けた先のすぐ目の前にばーんと現れたこの姿はちょっと萌えました(何
でもバスなのであっと言う間に通過してしまったのが残念。
でもその後のトンネルを抜ける糠平湖が見えたのですが、想像以上にものすごく見頃に紅葉しててかなりきれいでした。
天気の方も回復したようで陽の光に照らされてたからなおさら。しかも雨が上がった直後だったのか湖の上に虹まで架かっててもう。正に絶景と言うにふさわしい景色でした。

その後バスは糠平温泉街のバス停で最後の乗車客を乗せて、さらに山奥へと向かいます。
国道は温泉街を出た後180度ぐらい大きくカーブした後、糠平湖の湖岸に沿って北上。
平成に入ってから改良されたようでトンネルや橋が主体で山地なのにわりとまっすぐで高規格な道路です。
ちょっと高いところを走ってるおかげで糠平湖と対岸の紅葉に染まる山を見下ろす角度になるので眺めは抜群。時折目当てのアーチ橋も視界に入ったりして、いよいよやってきたー!って気分が高まってきました。

しかし山の天気は変わりやすいのか単に今日の天気が変わりやすいだけなのか。
・・・・あー、また曇ってきた。そして降ってきた('A`)
でもさっきみたいに降ったり晴れたりを繰り返してるから、まぁ何とかなるかな?
糠平湖抜けた先の川にまたしても虹が架かってたりもしたし。

タウシュベツへの分岐点を過ぎ、目当てのアーチ橋も通り過ぎ、バスはようやく「幌加温泉入口」バス停に到着。
降りるのはもちろん僕一人。
っていうかね。
まわり道と森しかねぇwwww
それなりに車の通る国道が一本と、直角に交差してまっすぐ山の方・幌加温泉へ向けて伸びる、車の全く通らない道がもう1本。
そのほかに標識とバス停の看板がある以外はあと全部森www
バス停の名前の由来となった幌加温泉は1.5kmぐらい先にあるので、このバス使ってくる人なんてまず居ないでしょう。
正しく「バス版秘境駅」だな。

そしてこの辺、寒っ
最早結構標高有るのか。
さっきの帯広もわりと寒いと思ったけど、比にならないw
普段の札幌で生活してるときに比べてちょっと厚めの1枚多めに着てるのにそれでも肌寒い。
あげく曇ってるし。少し風有るし。っていうか結局小雨ぱらついてきたし('A`)
これはひどい(何)

しかしこんな何も無いとこ、止まっていても何も始まらないので、とりあえず歩き始め。
小雨降る中バスで今通ってきた道を引き返す方向に歩いていきます。
こんなところ普段人が歩くなんてことはまずあり得ない場所なので歩道なんてものは当然有りませんが、別に交通量は多いわけではなく大型車が猛スピードで走り抜けていくなんてことはなかったのでそんな危険を感じることもなく。
そんな場所を歩いてるのを通りがかる車の人に見られるのが若干恥ずかしいだけで(何)、両側の紅葉の山を眺めたり「鹿飛び出し注意」の立て看板とか見て北海道を感じながらわりと気楽に歩くことが出来ました。

のんびり歩くこと約20分。
第一の目的地に到着。
国道の滝の沢橋から眺めることの出来る「第五音更川橋梁」です。
この橋は登録有形文化財指定もされている橋で、スパン23mという比較的大きなアーチが見所。
手前の紅葉と奥の白樺の林の間に突如立派なコンクリートアーチの橋が現れる景色ってのは他ではなかなかない独特の雰囲気がありました。
アーチ橋ってやっぱ作りが美しいよね。存在感を主張してるけど山の景色に調和してるところがなんともステキ。
技術的な理由だけでなく景観への配慮もした結果アーチ橋という工法が選ばれたと言うだけはあります。
ここに列車が通ってるところはなお素晴らしかったんだろうけどねぇ。

しばし堪能した後再び歩き始め、数分歩くと次の目的地。
北海道開発局の幌加除雪ステーションに到着。
名前の通り本業は除雪車の基地なんでしょうが、国道を走るドライバーの休憩所としても開放されていて、きれいなトイレが設置されてます。
この先糠平温泉に着くまでトイレはないのでここで済ませるのも目的ですが、ここにはもっと大きな目的が。
ここから糠平温泉方面にちょっと行ったところに、士幌線幌加駅跡が残っています。
近くに除雪ステーションの駐車場があるおかげで立ちよる人も多いのか、NPO法人の手によって駅名標も再現されています。
僕が行ったときも、犬を連れたおばさん2人組が休憩&犬の散歩がてら見物してました。
こんな人気のないところで会った人に無言とかあり得ないのでこんにちはーと軽く挨拶して、駅跡をしばし堪能。
この駅跡は白樺林の中に草生した線路とホームが残されており「いかにも廃線跡」という気分満載。
古い駅だから最近の単線区間の交換駅みたいに「一線スルー」なんてのとは無縁で、左右均等に開いたポイントとか雰囲気出てるわー。
アニメやドラマの舞台にしたらかなり印象深いシーンになりそうw
ただ足元をよく見てみるとシカの糞だらけなのがちょっとアレですが(爆)
そしてさっきの橋を見てたあたりで既に雨は止んだんですが、ここへ来て急激に晴れ間が。
おかげで駅跡もきれいに写真に撮れて満足。
ついでにこの先もこのまま晴れが続けば気楽に歩いていけるし言うこと無いね。

駅跡を存分に見て再び糠平方面へ向けて歩いていこうと、国道の方へ戻ります。
すると、さっき居たおばちゃん達もまだいらっしゃり。
雲の隙間から山の斜面に陽が当たって、時折紅葉が一層きれい見えてたのでそっち眺めてたら、おばさんたちもそっち見てたのか、「あの辺陽が当たってきれいですよ」と話しかけてきました。
実際きれいだったので「ですねー」とか返しながら写真撮ってたんですが、このあとこれがきっかけでとてもありがたいことに。

さっきこんなところを歩いているとドライバーの視線が若干恥ずかしい的なことを書きましたが、ドライバーからしてもやっぱりこんなところで歩行者に出くわすと気になるようで(爆)
こんなとこ歩いてる人がいると驚いたけど、よく見たらカメラ持っていたので調査か何かで歩いているのかなと思われていたようですw
いやいやそんなんじゃなくてただの観光ですよーとか、幌加温泉のバス停から糠平まで歩くんですとかそんな話をしていたら、おばさんが一言。「良かったら乗っていきます?」

・・・・・キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!(爆)

そ、それは願ってもない話でございますですはい(爆)
時間的にギリギリの無謀な計画だった上にタウシュベツまでの林道はちょっと怖かったから。
もうわりと即答で「いいんですか?!」と答えてしまいました(何爆)
といわけでありがたいかなタウシュベツまで車に乗せていただくことになりました。

車中で結構色々話をしましたが、それによると、このおばさん方は旭川在住の中学時代の同級生で、よくこうして2~3人で北海道中を車で旅して回ってるとのこと。ついこの間も知床やら阿寒湖やら、道東一帯を欲張って一泊でぐるっと回ってきたとのこと。旭川からとは言え相当な距離なのでその日程でそれだけ回ってしまうのはかなりすげーな。そんな強行日程学生ぐらいしかやらないと思ってたw
それで今回は三国峠を越えて糠平経由で帯広の十勝川温泉に行く途中だったとのこと。
タウシュベツへ行くと若干寄り道になってしまうけど快く引き受けてくれたのでホント感謝です。

旭川在住と言うことでこの糠平近郊は何度も通ってるそうですが、タウシュベツ川橋梁なんてものがすぐ近くにあることはご存じなかった模様。最初にどこ行くんですかと聞かれたときに「このあとタウシュベツ橋行きます」って言っても、そのあまりにアイヌ語な地名に「タ、タウ・・・?」って反応されましたしw
最近だいぶ知名度上がりつつあるみたいだけど、やっぱり興味ないとそういう情報に接さないんかねー。
そんな訳なのでネットで印刷した地図と行きのバスから見た現場の状況を頼りにナビをしつつ、車は幌加駅跡を後にして国道453号を南下。一応案内はあるけど気にしないでいると余裕で見逃せる林道入口を左折して林道に入ります。

タウシュベツまで向かう林道は情報通り未舗装で、すれ違いも困難な細い山道。
それなのに最近この橋のを訪れる人も増えてきた上に、紅葉真っ盛りの三連休ということで通る車は意外と多く。
こりゃー歩いていったらクマよりもクルマが怖かったな(爆)
でも途中の景色はなかなか。見事に紅葉した木々が良い具合に陽の光に照らされてたり、そんな木々の隙間から時折糠平湖も見えたり。
タウシュベツの存在を今初めて知ったおばさん方も「良い景色ねー。よく来てたところの近くにこんなとこがあったなんて。」と感動のご様子でした。

幌加の駅を出てから約20分後、目的のタウシュベツ川橋梁入口にある駐車スペースに到着。車って速ぇな(何)
途中何台もすれ違ったことからも察せられたけど、やはりここにはかなりの人が。
ちょっと前までは秘境扱いだったはずだけど、最近はもう「観光名所」だな。

駐車スペース裏からも湖面に太陽をきらめかせる糠平湖が見渡せてまた絶景なんですが真の目的はそこじゃない。
ここからは旧士幌線のダム湖が出来る前の旧線(紛らわしいな(何))跡を歩きます。
両側に並ぶこれまたきれいに紅葉した白樺の木立を抜けて数分、視界が開けた先に、今回の旅の一番の目的であるタウシュベツ川橋梁は有りました。
でも線路跡を歩いてきてるから橋はその延長線上にあたるのでぱっと見は正直橋なんだか何なのかよくわからず。
なのでちょっと横へ移動して見ると・・・


これっすよ!(何
長い間ダムの水底に沈んだり冬場湖面に現れて厳しい寒さに晒されたりを繰り返してるせいでもうボロボロですが、水面をまっすぐ等間隔に横切る11連のアーチって景色は何とも言い難いモノがありますな。
この橋はダムの水位が上がると完全に水没することもあり、平年ならこの時期にはもうほとんど沈んでいるそうなのですが、今年は雨が少ないためこの時期でもまだこれほど見えているとのこと。今回の旅はホント運に味方されてるみたいね。
あまりに辺鄙な場所故今まで来るに来れなかったんですが、今こうして数年越しの”夢”をついに果たすことが出来ました。

折角こうまでしてきたので、もう死ぬほど堪能し尽くしたい気分ではありましたが(何)、車に乗せてくれたお二方をあまり待たせすぎるのも気が引けるし、ていうかそれ以前に突如森が切れて広いダム湖に出るという地形上立っているのも困難なぐらいの暴風が吹き荒れているので正直あまり長居はしたくない(爆)
ただの風強いだけじゃなくて気温も低いからなぁ。寒すぎだよもう(爆)
おばさん達が「さっき下りてきた三国峠は雪が積もってた」って言ってたけど、確かに三国峠の方向にある山はもう雪化粧してるし。


そんなわけなのでもうこれ以上暴風に耐えたくなくなる限界まで(何)は堪能して、来た道戻って駐車スペースへ。
再び車に乗せてもらって林道を引き返して国道へ。
向かう方向は同じだったのでせっかくだから遊歩道の入口まで乗せていってもらうことにしました。

最初はメトセップ橋を過ぎた先にある、現在供用中の区間のうち一番北にある国道との連絡口あたりで降ろしてもらおうと思っていたんですが、その場所はタウシュベツへの入口とは比較にならないほどわかりづらい上に、周囲に駐車スペースもないので断念。次の連絡路は五の沢バス停付近なので、そこには駐車帯もあるしそこで降ろしてもらうことに。

タウシュベツから五の沢までも約20分。
幌加からこの辺まで、徒歩で行こうとしてたときは3時間ぐらいは覚悟していたんですが、わずか1時間で到着。
ここから糠平温泉街までは遊歩道経由で5~6kmとかそんなもんですが時刻はまだ12時半過ぎ。バスの時間まであと4時間なのでもう時間の心配は全く要らなくなりました。むしろ有り余るぐらい。
もうほんと、車に乗せてもらえたのがものすごい効いてるわー
おかげで念願のタウシュベツにも労せず行けたし、大幅な時間の余裕も出来たから遊歩道沿いの廃線跡や糠平の集落も気の済むまで見て回れる。
この出会いがなければ今回のこの旅行は一体どうなっていたことか。
このおばさん方お二人には感謝してもし尽くせません。この場を借りて、重ねてありがとうございましたと言わせていただきます。


さておばさん達と別れてここから再び一人旅。
国道にいても仕方ないので、まずは士幌線跡を転用した遊歩道へ入るため、とりあえず入口を捜すことに。
しかしこの辺には行きにバスから見たときも、今車から見たときも入口らしい道は見えなかったが・・・一体どこだ?

うろうろすること数分。
ふと何か看板があるのを発見。その先には草が何となく分かれてる部分も。
近づいてみると・・・これ道だったのか!(爆)
あー、そういやさっき車の中から何か見えててまさかなーとか思ったっけー
まさかホントにこれだったとは(爆)
でも確かに林のすぐ奥に遊歩道らしきちょっと開けた場所が見えるし、間違いないんだろうな。
というわけでいざ突入ー

しかしこの連絡路、メトセップ近くのみたいに遊歩道へ向けて一直線に伸びているのかと思いきや。
所々獣道レベルの細さになったりしてる上に、妙にうねうねと左右に曲がらされ、挙げ句倒木もあったりしてて。
遊歩道は目の前なのになかなか辿り着けないちょっとむかつく道でした(何爆)

そんなわけで、直線距離なら100mも無いような距離なんでしょうけど、国道から遊歩道まで何故か5分かかって到着(何)
これから歩く遊歩道が全部こんな悪路だったら嫌だなーと思ったけど、流石にそんなことはなく、きれいに整備された歩きやすそうな道でした。まぁ、線路跡なんだからある程度マシな道になるのは当たり前か。

連絡路との合流付近には都合の良いことにベンチが置かれていたので、朝食から7時間近くたってかなり腹も減ってきたことだし、ここで昼食タイム。
昨日の夕食の残りを詰めた弁当を食します。
最早天気も良くなって、明るい林の中気持ちいい風に吹かれて弁当食べてると、なんかいかにもピクニック的な気分で良いですねw
まぁ、時折がさがさと、明らかに風で葉っぱが揺れるのとは違う「何か居る気配」を感じるのが気になるところでしたが(爆)
音的に熊とかではなくきっとリスとかキツネとかその程度の小動物だったんだろうけど、なんかこうクマへの恐怖がちょっと先行しすぎててちょっと落ち着かないな(爆)
なので食べ終わったらあまりのんびりすることなくすぐ出発。
さっきまでは国道を歩いていたので何も付けていませんでしたが、ここからは一応森の中の道を歩くので、準備してきたベルを腰に付け、ついでに鞄に鈴付きのさるぼぼ付けて(何)、クマ対策アイテムの装備完了。
糠平温泉街の外れにある鉄道資料館(旧糠平駅)まで約6kmの道のりの軽いハイキングがスタートです。

とりあえずの目的地は、上を通ることも出来るし比較的大きなアーチ橋を湖岸に下りて下から眺めることもできる三の沢橋梁。距離にして2~3kmってとこでしょうか。
この道は廃船跡と言うことで、基本的に道幅も広くまっすぐ平坦な道なので気軽な森林浴にはもってこいって感じ。
鉄道時代からそのまま使われているのか砂利敷きなので若干の歩きにくさが有ったり、時折倒木が道をふさいでたりしたので頑張ってくぐったり乗り越えたりしないといけなかったところはありましたが。
雨で空気も洗い流されたのか清々しいことこの上なく。何というか、そんなモノの存在やら効果やらは全く持って信じていないが、敢えて言おう、マイナスイオンであると(何)という感じ(何)
最早すっかり天気も良くなって森の中でも明るいし、赤や黄色の葉っぱが見事に映えてて気持ちよかったです。

五の沢から、途中長さ数メートルの小さい橋をいくつか渡ったりしながら、森の中に伸びる平坦な道をゆっくり歩いて約30分。
自転車を改造した人力トロッコ「森のトロッコ エコレール」の線路が見えてから更に5分ぐらい歩くと国道の三の沢駐車場に到着。
40分程度しか歩いてませんが、何か久しぶりにコンクリ舗装道歩いた気分でしたw
駐車場を素通りして再び遊歩道に入るとすぐに三の沢橋梁。
この橋は遊歩道の一部として整備されていて橋の上を歩けるようになっていますが、そのために路盤もきれいに固められた上に新しい柵も付けられてしまって、廃線跡という印象はちょっと薄め。でも中程には明らかに鉄道時代の遺構も残されていたりします。
ここは駐車場至近と言うことで、車でやってきてここだけ見て次へ行く人が多いですな。今までの遊歩道では誰ともすれ違わなかったのに。

橋を渡り終えて更に糠平方向へ遊歩道を進むと、すぐの所に糠平湖岸へ下りる道が分岐していたので寄り道。
一応階段にはなっているモノの細くて急なのにやっぱり人がそれなりにいるから通りづらい道を下るとすぐ湖岸。
タウシュベツ橋が水没してない通り今は比較的水位が低いので、実際の水際はもうちょっと先になりますが、ある一定のラインより先は下草が生えておらず、最早「白骨化」した切り株が並び所々に朽ちた枝が散らばる荒涼とした景色が広がり、最大ではそこまで水が来るってことが一目瞭然でした。
でも湖を挟んで反対側には例によって見事に色づいた山々が望め、後ろを振り向けば今渡ってきた三の沢橋梁のアーチを見ることが出来ます。
そして、左手遠くにはさっき見に行ったタウシュベツ川橋梁も。
何かもうこの辺、どこ行っても景色良いね。

しばらくうろうろして景色を楽しんだ後、再び斜面を登って遊歩道に復帰。引き続き糠平方面へ向かいます。
三の沢橋梁から湖岸へ下りる道までは結構人が行ってますが、反対の糠平方面へ行く人はまたしても皆無。
みんな車で楽しやがって全く(何)
こんなとこ車でただ通りすぎてももったいないだけっしょや(何)

再び歩く道はさっきと同じく廃線跡故の広く平坦な道。
ずっとこんな感じの道なら糠平までは楽勝だなー

・・・そう思っていた時期が、僕にもありました(何)
三の沢から10分。線路跡らしく目の前にトンネルが出現。
しかし廃トンネルは崩落の危険からか入口が金網で塞がれて通行禁止。
遊歩道はどうなっているのかと思ったら案内看板が指し示すのはトンネルに向かって左側。
そこには小さな沢があって木の板の簡素な橋が渡してあるので間違いないんでしょう。

しかしだ。
その橋を渡った先を見ても、なんだか道らしき道がないんですけど?(爆)
よく見るときにピンクのテープが結ばれてるから人の手がちゃんと入ってる「道」がそこに存在しているのは間違いないんだろうけど。
まぁとりあえず行けるところまで行って、わからなそうならまだ三の沢も近いし引き返せばいいかと思って先へ行ってみましたが、その僅か数歩先に進んだだけでさっきまでの雨と落ち葉のせいで滑りやすくなってた地面に足を取られかけ、更に先へ行ったらぬかるみに危うくずぶずぶ沈みかけ('A`)
何だこのいきなりの踏んだり蹴ったり感('A`)
何とかそのエリアを脱出した先にも一応ピンクテープはあったけど、その先に続く道は更に道らしくなく、落ち葉だらけの急斜面で一歩間違えたら下に転げ落ちそうな。
さっきまであんな楽勝の道を歩いてきたのに突然こんな「道無き道」になってしまったし、おまけに道が細くなった分木も鬱蒼としてて薄暗く、本当にこっちで良いのか不安になったので、ちょっと落ち着いて地図と照らし合わせたりして考えるべく、トンネル手前まで引き返し、どうするかしばし黙考。

今居るのは三の沢から10分ぐらいの地点。引き返すのは楽勝。
地図を見る限り三の沢から国道を歩いていっても次のアーチ橋「糠平川橋梁」の手前でまた遊歩道に復帰できるし、そっちを選ぶというのも手の一つ。
でにこの先の国道にはトンネルがあり、さっきバスから見た限りそこには歩道がなかったからちょっと危ないかもしれない。っていうか空気悪い(何)
悩ましい選択だなぁと、時間のあるのを良いことにむだに悩み、念のためもう一度先の様子を見に行ってみてもやっぱり他に道は見あたらず。
結局また引き返したりしてさぁどうしよう・・・と思っていたらなんか向こうから人が!(何

やってきたのは男女2人組。
ちょうどぬかるみ地帯辺りから戻ってこようとしたらその人達が目に入ったので、もしかしたら聞けば何か分かるかもと期待したんですが、その人達も看板の先見て「・・・この先どこ行けばいいの?」とか言ってたので断念(何
でもその人達的にはこれから行く方向からやってきた僕を見て「むこうから人が来たから良いんじゃない?」的なこと言ってこっち向かってこようとしたので、挨拶がてらこの先の様子はよく分からんよと知らせるために、この先道がよく分からないですよと言ってみました。
でも女の人の方がとりあえず行ってみようかと切り出してどんどん先へ。
男の人の方は完全に引っ張られるままという感じで。何つーか、女は強ぇなー(何

僕は引き続きどうしようかなと思っていたんですが、その2人組が例の急斜面に到達したのか、「え、これ?」的な声が聞こえてきました。でもそこでも女の人はとりあえず進んでみたのか、「あ、でもこの先道?有るよ?」という声も聞こえてきた。
え、てことはやっぱあそこなの(爆)
なんか「道?」って疑問系なのが気になるけど(爆)
となってくるとこのまま引き返すのもしゃくなので、その人達の後を追って先へ進んでみることにしました。

さっき越えるのをためらった急斜面を辺りの木に掴まりながら怖々越えて、その先が見えるところまで来てみると・・・
あー、確かに道?が有りますね(何)
そしてピンクテープも。
でもそんな道?でもちょっと進んでみたらクマゲラの巣穴とか看板立ってたのでやっぱり整備されて道?ではある様子。例の二人も先へ進んでるし、間違いないのか(何)
そしてそのまま山道を突っ切ってみたら平坦な道に復帰。
手持ちの地図によると「旧国道」みたいですね。
確かにさっきまでの廃線跡よりも幅が広いしカーブもきつい。よく見ればガードレールなんかも設置されてますね。
現国道に移行してからだいぶ経っているのかかなり草生してたし、路肩が崩落して国道時代に張られたワイヤーの支柱が宙ぶらりんになってるところとか有りましたが、やはり元々道だっただけあって歩きやすさは今までで一番w
廃線跡の砂利道よりも歩きやすいのでしばらくはお散歩気分で歩けそう。

ゆっくり歩いて約10分。現国道との合流するポイントが見えましたが、遊歩道はもちろん国道とは合流しない方向に分岐。
その先ってのは・・・、まぁ、うん(何)
何かついに掴まるためのロープとか張られちゃってまぁ・・・(何)
国道はすぐそこな訳だけどもうここまで来たら遊歩道歩ききらないといけない気がする(何)ので無理矢理でも突き進みますが。

ロープに掴まりながら半ば滑るように下って行くと、さっきのトンネルの出口に到着。
また廃線跡に復帰するのです・・・が、すぐにまたトンネルで迂回。
そのたびに急傾斜を登り下り。
いやもうなんか慣れてきたからいいけどさ。
崩落の危険性があるからってのは分かるけど、それでも全長40mで向こう側が丸見えのトンネルぐらいは通してくれてもいいんじゃと思わずには居られませんでした(何)

そんな道を進むこと20分ちょい。
なんとか次の目的地「糠平川橋梁」に到着。
この橋も渡れるようになっており、上からは川の作る谷間の両側に紅葉びっしりで景色は大変良かったです。
ここはもう温泉街まで1kmもないような所で、やっと携帯もつながるようになったので、休憩がてら日記に実況したりもしてました。
また、場所柄温泉街からちょっと散歩気分でやってくる人も結構居るようで、それなりに人がいました。
さっき三の沢で湖畔に下りたときにすれ違った親子連れをまた見かけたりとかもw

ところでずっと先行していた例の二人組はこの橋をから温泉街方面ではなく、同じ道を引き返していったんように見えたんですが・・・
まぁ車で来たなら三の沢に駐車してるんだろうから戻らないといけないんだろうけど・・・あの道を?w
ご苦労様です(爆)

さてここまで来ればゴールしたも同然なんですが、時刻はまだ14時半。
どれだけゆっくり進んでいても大丈夫だということで、橋を渡ってすぐのところで「ネイチャートレイル入口」というのを見つけたのでちょこっとそっちに寄り道。
まぁ、「400m 10分」って書いてあったのであっと言う間だけど。
ロープの渡された階段を下りていくと橋を下から眺められるポイントへ。
この橋も上は遊歩道として整備されてしまってあまり廃線跡っぽくないけど、下から見るといかにも鉄道橋!って感じでいいね。

その先ちょっとだけ川沿いに歩いてみたけど何か流石に疲れてきたので、あまり奥へは行かずに橋を堪能し足らもう引き返すことに。
遊歩道に復帰するとその先はもうトンネルもなく平坦な線路跡。
途中普通の道路を渡るとその先には鉄道資料館から伸びるトロッコの線路が見え、その上をしばらく歩いていくと腕木式信号機や留置されている車掌車も見えてきて、開けたところに出るとゴールの鉄道資料館に到着。
五の沢を出てから2時間半といったところですかね。
流石にこれだけの時間ほぼ休みなく山道を歩き続けているとだいぶ疲れたし、なにより時刻が15時を回っただけで僅かに気温が下がりつつあったので休憩しながら暖まろうと思い資料館へ直行。

「上士幌町鉄道資料館」は旧糠平駅跡に建てらてたもので、旧国鉄士幌線の歴史や記録写真、実際に使われた鉄道用品なんかが展示されています。
16時閉館と開館時間は僻地仕様ですが(何)、入館料は100円とリーズナブルです。
ちなみに月曜閉館みたいなので注意。

入口で100円払って中へ入ると、さほど広くない館内のど真ん中に巨大スクリーンとイスが置いてあったのでそこでしばし休憩。
これは何かと思ったら「運転体験シミュレーション」と称して、士幌線の運転席から撮った風景を流す展示。
シミュレーションて何かと思ってたらそういうことだったのか。
つかこれすげーな。廃止直前(1987年)に撮ったのか、当時既にバス代行になってた糠平~三股こそ未収録ですが、帯広から糠平まで1時間半に及ぶ全線全区間の走行風景が収録されてるよ。
運転席からの景色だから車窓とはちょっと違うけど、それでも廃止された路線の様子が全部残ってるってのはなかなか貴重な資料なのでは。
映像は一駅ごとに区切られていて、先客が黒石平~糠平を流し始めてたのでまずはそれを見ることに。先客は終わる前に立ち去ってしまいましたが、僕は最後まで(何)
車内放送もしっかり収録されてて臨場感たっぷりです。
終わった後ももうちょっと見てみようと思い、今は山の中だったから今度は街の方を見るかと、始発の帯広~木野を。
帯広駅は今と違って、根室線から士幌線と広尾線が分岐する十勝地方のターミナル駅だった当時なので広々とした地上駅で、まずその辺から感心(何)
駅を出た列車は十勝川を渡って音更町の町並みをしばらく走り、木野駅に到着。朝そことほぼ同ことこ通ったけど20年も前の景色だとやっぱりまるで別物だねぇ。駅を利用する学生の姿とかも映ってたけどそれもやっぱり今と別物でw
あまりの興味深さにヘタをすると全部見てしまいそうな勢いでしたが、閉館時間まであと30分ちょいぐらいしかないし他の展示も見たいのでこれで止めとくことに。

他の展示はというと士幌線建設の歴史や重大事故を含む開業後の様子、各駅の紹介、行き先表示や駅の時刻表、運転手の制服その他諸々用品類などなど。
面積的には結構小さいですが、これら展示を一つ一つじっくり見てると結構時間かかります。でも面白いからいいんだ(何)
これで100円なら十分お得だ。
シミュレータの他に一番興味深かったのは昭和11年だったかと同30何年か当時の北海道鉄道路線図ね。
もうこの2枚だけで10分ぐらい眺めてた気がするw
昭和11年のは士幌線もまだ糠平まですら到達してなかったし、他にも廃止されて現存しない路線もたくさんあるんだけど、それらも一部未開業だったり。
一番大きいのは樺太の鉄道が記されてることだよねー。豊原(とよはら)とか真岡(まおか)とか泊居(とまりおる)とかその辺に線路網が張り巡らされてるのが大きな違いですな。
戦後の昭和30年代のは北海道鉄道ほぼ全盛期でこれまた面白い。
今は無いとこ盛りだくさん。でも逆に今は一大幹線の石勝線はまだ無かったり。実にキョーミ深い(何)
しかし当時は国鉄だけじゃなくて当時は私鉄もたくさんあったのに、今やその全てが無くなってしまったと思うと寂しいもんだね。

その他展示もじっくり見てたら気づけば40分近く経っていたww
そろそろ閉館時間の4時も迫ってきたことだしいい加減外に出て温泉街の観光に移ることに。
・・・と思ったけど、さっき来るとき資料館裏にあった案内看板には、資料館と逆側に「湖畔園地」なる表示があったことを思い出し、そっち行ってみることに。

駅跡裏の林の中に入っていくと、階段を下りたちょっと先には公園が広がってて、トイレもあったり、キャンプ場でもあるのかな?何かともかく整備されてました。
湖畔に近づいてみると「ぬかびら湖」って看板もあったり。
でもそんなモノより何より、そろそろ日が傾いてきて良い具合に夕日になってるんですが、それが見事に後ろから湖と奥の山を照らすもんだからもう(何)

やっぱり紅葉は夕日に一番映えるね。同系色だからかしら。
看板のあるところの更に奥、本当の湖畔の水際まで下りられる場所を発見したのでそっちに行ってみたけど、そこからは視界を遮る木もなくホントに素晴らしい景色でした。
思わず10分ぐらい手近な石に腰掛けてボーッとしてしまいましたw
携帯からの実況でも書いたとおり快晴だったので夜になればものすごい星空も期待できたんだろうな。
バスの本数が少ないのが惜しいわ。


時刻の方は16時を回り、気温もだいぶ下がってきました。
風はないとは言え流石に湖畔でじっとしてると寒くなってきたので、バスまでのあと数十分は今度こそ温泉街をぶらぶらして過ごすことに。
鉄道博物館は温泉街および糠平市街の外れといった位置にあるので、温泉街中心部までは徒歩数分。
たどりついた温泉街は、鄙びた温泉街という形容が似合う感じの町並みで。
わりと立派なホテルも何軒か有るし、所によっては満室の看板出してたりするから人気がないってことはないけど、活気があるとは言い難い。
寒いし折角だから日帰り入浴でもしていこうかとも思ったけど、そんなに時間ないし、それよりはきっともう来ることはないであろうこの糠平の町並みをふらふらしてた方が楽しいかなと思ってやめることに。
旅行好きなので温泉地へ立ち寄ることも多いですが、別に温泉そのものに特段の興味は湧かないので僕的にはそんな優先される事項じゃないのです。
道路沿いの案内にあった足湯ぐらいなら入っても良いかと思ったけど、行ってみたら枯れ果ててたし(爆)

そんなわけで木彫りの熊やらアイヌっぽい何かが並ぶいかにも北海道って感じのおみやげ屋を冷やかしてみたり、その名の通り温泉街の真ん中にある糠平中央公園に立ち寄ってみたり、その奥にあるひがし大雪博物館(今日は休館日)の前まで来てみたり。
それでもまだ時間が余ったので、温泉街の1本裏道に広がる糠平の集落部分をふらふらしてみたり。
そんなところを歩きながら思ったけど、今まで行った中でここほどの超絶ど田舎(何)は無かったんじゃなかろうかね。
基本的に鉄道の旅だから駅の回りにはそれなりに人が集まってるし。秘境駅はまたちょっと別で、最早人の営みが周囲に感じられないから「ど田舎」ではなく「秘境」な訳だしw
この糠平の町みたいに、例えば「へき地保育所」と名前の付けられた施設すらあまりの僻地っぷりに閉鎖されて打ち捨てられてしまってるような「人は住んでるけどド田舎」って所はあんまり来たこと無かったのでちょっと新鮮でした。

小さい町なのであっと言う間に一回りしてしまいましたが、元々あんまり時間もなかったのでそろそろバスにちょうど良い時間。10分はあるけどもうバス停に行って待ってることにしました。
乗車予定のバスは糠平地区の西の外れのスキー場前からさっき行った中央公園前を経由してほぼ東の端に当たる十勝バスの糠平営業所を通って帯広方面へ向かいます。
今居るところからだと営業所から乗るのが一番近いのでそこから。近くにトイレもあるしね。

営業所に着くと、ちょうど待機してたバスがスキー場へ向けて出発するところでした。これから乗るバスを見送るのって変な感じw
日没時刻はきっとまだなんだろうけど、山間と言うことでそろそろ薄暗くもなり始めだいぶ寒くなってきたこの近辺。
歩いてるときからだいぶ冷えてきた感じはするけど、こうしてじっとバスを待ってるとかなりしみてくる寒さです。
空は雲一つ無くて空気も乾き気味となんだかもう秋を通り越して冬みたいな。
ちなみにこの日の糠平や周辺の士幌、帯広など十勝地方一帯は、この快晴のおかげで放射冷却が起こり、気温が氷点下まで冷え込んで初霜を観測したそうですよ。どーりで寒かったわけだ。

しばらく待ってると定刻の16:52にバスが帰ってきて乗車。帰路につきます。
今回の小旅行も終わりですな。
帯広までは1時間40分ぐらい。運賃1270円・・・って安いな。行きは1800円も取られたのに(爆)
そんなバスは、行きの都市間高速バスみたいなのとは違って普通の路線バス。
それ即ち国鉄士幌線廃止代替バスってことです。
途中通るバス停も黒石平に清水谷、萩ヶ岡に上士幌とさっき資料館で見た名前が並んでます。
もちろんバスなので鉄道よりは間隔つまってて間に色々あるけど。
まぁ、北海道の田舎なのでどこまで行っても地名が「上士幌」だから道路の名前から付いた「上士幌55号」とかそんな名前のバス停がひたすら並んでるだけですけどw

てか考えてみれば旧国鉄の廃止路線をなぞる代替バス、今年に入ってからよく乗るな。
2月に流氷見に行ったときも網走→常呂→佐呂間→中湧別の旧湧網線とか、中湧別→紋別の旧名寄本線とか、9月の連休で行ってきた積丹一周バスの旅の帰りに岩内→小沢の旧岩内線に乗ったりとか。
それまで乗ったことのある廃止代替バスって本州の碓氷峠(軽井沢→横川)ぐらいなのに。
そもそもバスの旅自体あまりしてなくて、わりと長いこと乗ったのと言えば稚内駅→宗谷岬とか様似駅→襟裳岬、道外では島原→雲仙ぐらいしか浮かばないけど。
それなのに今年に入ってからこれがもう4路線目か。
北海道の鉄道路線は既に無いふるさと銀河線を含めて去年全線完乗してしまって行くとこなくなってしまったからしょうがなく廃線にシフトってところですかねw
路線バスの旅もこれはこれで楽しいしね。


糠平ダムを過ぎ、いくつかトンネルを抜け、しばらく山間の道を走るとわりとすぐに景色は開けて上士幌の町。
その辺まで来る頃にはもう完全に日は落ちて辺りは真っ暗。
最早遠くの景色は見えないけど、流石にバスの中で、しかもわりと眠い状況下で本を読む勇気はないのでw、夜の町の様子をボーッと眺めたり時折寝たりしながら過ごしました。
あと携帯で夕食の算段を付けてみたり。
帯広といえば豚丼だけど、去年根室まで行った途中に帯広で降りて34℃にやられつつも食べたりしてるんで今回は別に良いかなぁとかも思ってたんですが、それ以外だとしたら何食べるかあまり考えてなかったし、何か駅弁って気分でもなかったし、それにやっぱり折角来たんだし本場の豚丼食べたいかもと思ったりもして(何)
遊歩道ハイキングでそれなりに運動したおかげで体がタンパク質とカロリーを要求してきたんでしょうかね(何)
でも店に心当たりはないのでざっと携帯からネット検索。
去年来たときは確か長崎屋の裏の店だったのでそこは除外してたんですが、なんか有名店らしき「ぱんちょう」という店が駅の近くにあるのを見つけたのでそこにしますかね、と。

そんなことしながら1時間数十分走るともう音更町に入り、回りの景色もだいぶ明るくなって「町」から「街」に近づいてきた感じ。
実況でも書いたとおりの「繁華街」を抜け、しばらく行くと十勝川を渡って帯広市街へ。
この辺の景色はさっき資料館で見たシミュレータの映像と同じ区間だったりするのかな。

そこからしばらくすると停留所の名前が「西×条南×丁目」(面白いことに帯広は札幌の「南×条西×丁目」と逆なんだよねー)になって、更にちょっと走ると人気の多い繁華街に突入。
間もなく帯広駅ですな。
ここでさっき携帯で見つけた店の前を偶然通りがかったのですが・・・何か結構な行列できてるので中止。
時間あるとは言っても1時間ぐらいだからそこまでゆったりでもないし。
何より腹も減ったし寒い中待ちたくない(爆)
確か駅の中にも何かあったはずだからそれでいっか。

そしてその後すぐバスは帯広駅前ターミナルに到着。
時刻は18時半過ぎ。
山中の糠平からだいぶ下ってきたせいか、そんなに寒くないね。

列車までは1時間あるけど食べるところを探さねばならないので駅へ直行。
一応地図を見てみるけど豚丼屋らしき名前は駅周辺には見つからなかったので、諦めてエスタの方へ。
ここも去年来ましたな。
その時の記憶によると確か専門店があったけど・・・あぁ有るには有るけど売り切れで終了してますね('A`)
でも隣も何かすごい豚(詳しくは忘れた(何))使った豚丼が人気メニューとか書いてある!・・・けどそこは店舗が狭くて満員でー・・・
駅の中だしギリギリでも大丈夫かと思い、周囲一巡りしながら待ってみるも空く気配はなく。
仕方ないので、隣の豚丼も出してるそば屋で妥協しときました(何)
折角なのでそばとのセット注文して夕食にしました。

食べ終わったらちょうどいい時間だったので改札抜けて駅ホームへ。
乗るのは19時35分発札幌行き特急「スーパーとかち10号」。4番線からの発車となります(何)
車両は「スーパー宗谷」用として登場した261系。
この手のデザインの車両が登場しだした頃はこの形式はスーパー北斗専用、この形式はスーパーおおぞら専用、この形式はスーパー宗谷専用って感じになってた気がするけど、最近は完全にごちゃ混ぜですね。
ってかスーパーとかちといえば「北斗」とかで使われてるちょっと古めのヤツとか、それより更に古い「オホーツク」でよく見かけるヤツが使われてる印象があったんだけどそれはもう昔の話っぽいな(何)
数年前から道内の特急で「スーパー」の名を冠する列車は全て国鉄が民営化されてJR北海道になってから新造された車両を使ってるって法則になってるらしいけど。
まぁこの車両、行きのと同系列だけあって乗り心地は良いですけどね。
気動車でしかも山岳区間を通過するのに構わず時速130kmでぶっ飛ばしてくれるしw

車中での二時間半は、実況にも書いたとおり、この先はもう暗くて何も見えない原野をひた走るだけなので、眠くなって気持ち悪くなったりしない限り持参したとある魔術の禁書目録3巻を読むことに。
でも久しぶりの特急列車、しかも今乗ってる自由席は先頭車、そして車両はこのタイプとなれば運転台下の最前部の窓に行かずしてどうするよ、と思ってしまい(何)
石勝線の山越え区間を中心に結構な時間張り付いてみてましたw
勾配と曲線をものともせずフルスピードでトンネルに突入して、そのまま狭い空間をぶち抜けていくのを前で見てるとかなり迫力有りますw


その後は禁書目録(インデックス)読んでたらわりとあっと言う間に札幌到着。
やっぱ特急は速いな。全然読み終わらなかったよ(何)
改札へ降りるとそこは最早日常見慣れた景色なので今度こそ本当に旅もおしまいって感じ。
でもこんな時間に駅前に来ることはあまりないので、非日常の最後の名残に駅の夜景を2~3枚写真に収めてから、地下鉄に乗って帰宅。
なんだかんだで到着は23時頃でした。

今回は「小旅行」といえども札幌~帯広~糠平って片道300km近くもあるから東京からだと豊橋や福島まで、大阪からなら浜松や東広島まで、福岡からなら鹿児島までに相当する距離なんで全然「小」じゃないですねw
しかも新幹線なんて高速列車は無く、特急列車とバスで往復するもんだから朝に家を出てから16時間半と一日をフルに使った旅で、しかも途中わりと長い距離歩いたので流石に疲れましたw

でも今回は旅先での出会いが大きな意味を持つという今までそんなになかったいい経験もできたし、「北海道最後の年だから北海道を堪能しようキャンペーン(何)」のコンセプト通り、いかにも北海道らしい景色を十分堪能できたし、何より長年の念願だったタウシュベツ橋に行けたりと、ともかく充実の旅行でした。

ここ最近は舞台探訪で縁もゆかりもない街を歩いたり、今回みたいに田舎へ赴いて自然を感じてみたりと北海道に限らず日本全国各地でいろんなところに行ってるけど、そのたびに日本にもいろんなところがあるんだなーとしみじみ思う次第。
マスメディアの発達で全国的に均質化が進んでしまったなんてよく言われるけど、変わらないものはやっぱ変わらないんだねやっぱり。
そんなわけだからみんなもっといろんなとこ行こうぜ☆(どんなシメの言葉だそれ)


今回のレポはこれで終わり。かなりの長編になったな(何)
ホントは写真を沢山貼り付けるつもりでしたが、サイズ調整とかがめんどくさいのでとりあえず保留。
それするためにまた投稿が伸びるとホントにうやむやになりそうだし(爆)
まぁ、今回は我ながら良いと思える写真が結構あるので、近いうちにまた追加します。


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