徒然なるままに、日暮らし、パソに向かひて、心にうつりゆく由なきネタを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ(何)

STEAMBOY

No: 716
投稿者:管理人 04/08/04 Wed 23:05:44

No.712で触れたとおり、行ってきました、「スチームボーイ」
いやぁ。もう。すっげぇ。
スチームパンクな世界を舞台にした手に汗握る勇気と希望と感動の冒険活劇。
こういうの大好き。
絵の方も9年かけて18万枚の動画を描いたというだけ有って文句無し。
最新のCG技術も違和感無くばっちりハマって且つ効果的に使われてたしね~。
声の方は一般の声優を使わず俳優をそろえたとの事で、ところどころ「慣れてないのかなー」と思わないでもないところはあったけど、特に気になるほどでもなし。
話の展開の方も途中だらだらしたりとか一切せず結末まで持ってくのはホントすごいと思った。
(ネタバレにつき白→)導入部分のレイの日常生活は軽い気持ちで見てたけど、その後ロイドから「スチームボール」が送られて以後はもう最後まで気ぃ抜いてらんなかった。もちろんその導入も長すぎず、しかしあの世界の雰囲気に入り込むには充分な長さだし。
まぁ、最後の方でじーちゃんがレイに「行け、”スチームボーイ”!」とか格好良く遺言残してスチームの中にフェードアウトしていってこのまま涙のお別れするのかなーとか思ったのに、その直後レイに「ここはテムズ川の上じゃなくてロンドンの町の真上なんだよ!ここで落ちたら沢山の人が死んじゃうよ!」みたいなこと言われたら、「なんじゃと?!」とか言ってスチームかき分けて出てきた時はさすがにズッコケましたが(爆)
ありゃねーべw

ま。それが有ってこそ最後の感動に繋がるわけですが。
最後、スチーム城の蒸気とテムズ川の水が猛烈な断熱膨張による超低温で氷の華を作り、その横を脱出用飛行セットでスカーレット抱えて飛んでるレイを見たロンドンの子ども達が手ぇ振って走って追いかけてたりするシーン、科学ってああいう純粋な”憧れの対象”でもいいよなー、とか、ロイド、エディ、それからロバート・スチーブンソンやデイビッド達からあの子ども達に「科学」は受け継がれてくんだなーとか、いろんなこと思ってかなり感動でした。

まぁ、敢えて文句付けるなら最後もうちょっとエピローグっぽいのがあっても良いかなとは思った。
エンディングでスタッフロールをバックにレイ達のその後(未来の姿?)が描かれてたけど、アレにナレーションだけでも良いから説明加えたりでもしてくれればぼくとしては完璧なのに(何)
(反転終わり)

そしてストーリーを構成する各キャラもすっげー個性の固まりでほんっといい味だしてるw
(ネタバレにつき白→)主人公レイは13歳なのに発明のセンスは天才的、おまけにこういう冒険活劇の主人公に相応しい勇気も、判断力も持ってる。13歳で「科学とはどうあるべきか?」みたいなこと考えさせられ、自分で導いた結論に従って行動するなんてできませんぜ普通(何)

ヒロインのスカーレットも、最初はただの「おーーーほっほっほっほっほっ」って高笑いがよく似合う高飛車ないかにも「お嬢様」というだけのキャラかと思ったら、実はそうでもなくちゃんとしっかり考えてるキャラだし。「サイモーーーン!!お金を儲けるのにも程があるわ!人が死んじゃうじゃない!」は有る意味名言かと(何)
なんかエンディングでは「SCARLET」と名の付いた飛行機にどんと構えて写真撮ってるし。なんか「女性初の大西洋横断飛行」とか成し遂げてそうな勢いよ(何)
・・・まぁこれはレイと出会って変わったのかもしれないけど。

そして父親のエディと祖父のロイド。どっちも頑固だねぃ。というかどちらも殺しても死ななそう(爆)
事実最後スチーム城があんなんなってもしっかり二人とも脱出したようだし。
ってかどちらもその善し悪しはどうであれ、「科学」に対する確固たる信念を持ってるってのが魅力かも。エディの「科学は人類に恩恵を与える”力”だ」ってのもロイドの「科学は自然の真理を解き明かすためのものであって金儲けの道具ではない」ってのも、どちらの倫理観も一”科学者の卵”としては考えさせられる者がありますが。

それから悪役側でサイモン。
こいつはどんな状況であれ資本主義優先な感じの「いかにも小物っぽい悪徳商人」ってな感じで、「お嬢様」・スカーレットに完全に振り回されてる姿もあって、やっぱりちょっと憎めない(笑)

他にもいろんな人が居て人の動き見てるだけでも面白かった。
(反転終わり)

ストーリーの大筋以外も細かいところで「産業革命当時のイギリス」の日常があちこちに描かれてて、当時の事なんて本での知識でしかないのにその場に居るような感じ。
もうマンチェスター郊外に広がる田園地帯の畑の臭いとか、煤と蒸気に充ちたロンドンの空気の臭いとかがしてきそうなぐらい。
話のメインテーマである科学技術も、現実の科学と空想科学が適度な割合で、違和感無く共存してたのがなんかよかった。
現実の科学ばっかりで「これあり得ねーだろ(何)」とかいうのが全くないよりは、多少そういうの含んでる方が夢があっていいよね(何)
もちろん、それが「突飛」であってくれちゃ困るんですが、スチームボーイはそんな感じはあまりしなかったかな。
(ネタバレにつき白→)そういえば、その空想科学の一つに「蒸気兵」が有りますが、アレに「中の人」が居たのにはびっくりだった(爆笑)
てっきり完全自動で勝手に進むのかと思ってたら。
(反転終わり)


そんなわけで色々書いてきましたがもう、ほんと、最高。これに尽きる。
終わった後迷わずプログラム買いに走りましたよ(何)700円もしたけど(爆)
札幌市が発売した「スチームボーイ公開記念ウィズユーカード」を実は発売直後に密かに買ってたりしてるんですが(何)、最初は「まぁ、自分で使えるし?場合によって東京のまんだらけにでも持ち込んで売って儲けてもいいし?(爆)」と若干よこしまな気を抱いての購入だったんですが、実際見て考え直しました(何)
もう使わず保存することに決定(爆)
誰が売ってやるもんですか(何)




・・・ところでー。
レイの父親エディ(本名:エドワード)の右腕が機械の腕になってるってのは、何の縁でしょうか(大爆笑)
BONESの「ヨタ日記」でも「蒸気兵」とアルのツーショット写真なんての出てるし。
どっちも同じ産業革命時代のイギリスを背景とした、”科学”を扱う作品だし。
冒頭でレイをいじめてたアレックス率いる不良軍団の下っ端役で朴さん出てたし(爆)
これだけはずーっと突っ込みたくて仕方なかったDEATH(爆)


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